「口先女と鉄壁の処女」ー四ツ原フリコ『ライカ、パブロフ、ポチハチ公』
これは「百合作品」アドベントカレンダー3日目の記事です。
はい、というわけで3日目の作品はこちら。
四ツ原フリコ先生の『ライカ、パブロフ、ポチハチ公』。
自主制作百合マンガ誌『ガレット』を購入した際、初めて四ツ原フリコ先生の作品を拝読しました。そして笑い倒しました。これあまりにも読んでほしいので併せてご紹介しますね。
『セックスしないと出られない百合』。
もうタイトルからして強い。そして内容も強いです。
タイトル通りの部屋に閉じ込められた幼馴染二人が、見たいアニメの時間までにどうにか部屋を出ようと四苦八苦する話です。
閉じ込めた本人が天の声として二人に指示を出すんですが、普通にガン無視されてたり壁に落書きされたりとやられ放題なのも笑えます。
そして終盤、天の声と読者のシンクロ率200%になるくらい萌えます。
なんと100円という破格で読めますので、お試しで読んでみるといいかもです。
それでは話は戻って『ライカ、パブロフ、ポチハチ公』。
こちらは上記作品があまりにもツボだったため、その後四ツ原先生の作品を買い漁った内の1冊です。
表題作を含めた6つの短編から成り立っており、今回はその中で『口先女と鉄壁の処女』について話したいと思います。こちらもタイトルが強いですね。
同級生の小雪さんはまつりさんのことが大好きで、毎日「好き」「付き合って」「結婚して」と伝えます。しかし言いすぎて全く本気と捉えられず、すべて笑って受け流されています。
「リップサービスはもうたくさん 小雪の言うこた軽すぎるんだよ」
「有難みも薄れるわ」 (『ライカ、パブロフ、ポチハチ公』P.71、72)
などと言われてしまう始末。なんとか気持ちを伝えようと雑誌の特集を見て実践しては失敗を繰り返す日々を送っています。
しかし、とある出来事をきっかけ小雪さんが本気でまつりさんのことを好きなんだとわかる瞬間が訪れます。
ここからです。そのときに使用されているセリフが天才なのでこれはぜひ読んでほしいです。今までの「好き」や「大好き」では伝わらなかったのに、これで伝わるのかーー!!!という体験ができます。萌えます。
小雪さんが手を変え品を変え「好き」伝えようとし、最終的に伝わったのがこの言葉というのが最高でした。
あと蛇足ですが『恋を描く人』と『Chopsticks』も大好きです。